特集 作業療法士の働き方カタログ
—退職後の働き方・社会貢献—公民館長としての5年間
冨岡 詔子
1
Noriko Tomioka
1
1元・松本市教育委員会教育部 岡田公民館
pp.656-658
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202572
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プロローグ
40代前半からのほぼ四半世紀の教員人生は,大学という“アカデミック”な場での「『教育・研究・臨床』の三位一体の成果を挙げよ」という暗黙のプレッシャーとの闘いでもありました.自らも作業療法の研究方法を探索し(社会人入学で修士号や博士号を何とか取得),試行錯誤と自転車操業の日々でした.同僚や若者の力に助けられ充実した日々でしたが,65歳での定年退職時は一切のノルマから解放されたようで,実に爽快な気分でした.
70歳の第二の定年(2012年)までの5年間は,佛教大学の“特任教授”と,JICAの技術顧問の掛け持ちを継続しました.この間には2011年3月11日の東日本大震災があり,OT協会のボランティア活動へ参加,2014年6月のWFOT代表者会議と世界大会の日本開催に向けた準備であっという間に過ぎました.その大会も2014年(72歳)には無事終了し,肺の早期がんの手術を9月に受け,ついでに禁煙にも成功して,月に2〜3回の篤志面接委員のボランティア以外には,“毎日が日曜日”の生活になりました.ですから,町会の新年会で,岡田地区公民館の館長のお話があったときには,「え! 公民館長?」という感じでしたが,女性の館長さんを探しているとの殺し文句と,私の中の「公民館」のイメージのもつ懐かしさに,よく考えもせずに引き受けてしまいました.
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