昭和の暮らし・第29回
ハンガーボード
市橋 芳則
1
1北名古屋市歴史民俗資料館
pp.518
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201707
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キッチングッズを吊るして見せる収納.それがハンガーボード.壁に取り付けて小物等を収納するための穴を開けた板である.昭和30〜50年代まで,キッチンの必須アイテムだった.基本色はブルー.均等に3mm程の穴が穿たれ,その穴にフックやフック付きのトレイやカゴ,あるいは箸立て,包丁立て,コップ立て等を取り付けた.花柄が流行した昭和40〜50年代にも多用され,まさに花柄咲くステージであった.
ハンガーボードはいつごろキッチンに登場するようになったのだろう? こうした疑問を解決するには雑誌『暮しの手帖』(暮しの手帖社)が重宝する.探っていくと,昭和32年(1957年)発行の同誌36号に「なんでも吊るせる壁」として登場する.そこでは,吸音ボード(学校の音楽室の壁など)という穴の開いた板材の活用方法を紹介しながら,「最近こういう使い方のための吸音ボードも売り出されています」として市販品のハンガーボードを紹介している.
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