あなたにとって作業療法とは何ですか?・第41回
あなたにとって作業療法とは何ですか?
西上 忠臣
1
1NPO法人ちゃんくす
pp.425
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201274
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協働の芸術
協働とは,同じ目的のために,対等の立場で協力して共に働くことである.OTは,クライエントにとって代わって何かをする存在ではなく,相手の話を聴き,コミュニケーションをとり,敬意を表し,信頼し,協力し,粘り強く解決法を探し,多様な見方を表現するための過程を促進するような技能を必要としている.専門職であるOTの役割が,クライエントの経験よりも熟練した能力を優先させるようなトップダウンの階層をとるようなものではなく,同じレベルの関係になってきたのである.
私は住民,企業,学校や行政等,街の人たちと連携しながら仕事をする時間が長い.クライエントが,本来の自分の姿をもって社会参加を果たそうとするときには,本人だけでなく地域そのものが変わっていくことが必要だからである.これらのかかわりの中から,共に目標を定め,成功や失敗の体験を積みながらお互いが成長していく姿こそが作業療法ではないか,と感じる.
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