多職種を交えたリハビリ事例検討会・第7回
日常生活行動にこだわりが強く,とじこもりがちな事例
扇 浩幸
1
,
川越 雅弘
2
1東京リハビリ訪問看護ステーションEast
2国立社会保障・人口問題研究所,社会保障基礎理論研究部
pp.56-62
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200814
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事例提示
Aさん,70代前半,女性.要介護1,寝たきり度B2,認知症自立度Ⅲb.
病歴・入院歴:左大腿骨頸部骨折,腎結核,腰椎すべり症(円背).現在は強迫性パーソナリティ障害,廃用症候群,右下腿潰瘍を有する.
家族:夫は自宅の1階で紙製品製造業を自営.日中は仕事,夜は町内会等で多忙だが時折,Aさんのいる居住スペースにも顔を出す.娘は実家の家業を手伝っているが,結婚して家を出ている.小学生の孫は学校帰りに母と合流するためほぼ毎日顔を出している.なお,主介護者は家政婦だが,Aさんとの接し方がわからず次々と替わっている.
生活歴・職歴:幼少期は身体が弱く,健康学園へ通う.24歳で結婚し,家業の事務を担ってきた.30代で不眠症と診断され,定期的にa病院に通っていたが,薬が合わず通院中止.30代後半から服用を続けている漢方薬であると思われる散剤を,寝る前に服薬している.本人曰く「鬱にいい」,「睡眠薬として飲んでいる」とのこと.現在は外出機会もなく,とじこもりがちの生活である.過去,通所介護を利用したが送迎時間までに支度が間に合わず,数回で終了となった.
処方薬(朝-昼-夕-就寝前):トコフェロールニコチン酸エステル製剤(微小循環系賦活剤)100mg・2cp(1-0-1-0),ラクトミン製剤〔整腸剤(乳酸菌製剤)〕2T(1-0-1-0),プレガバリン〔疼痛治療剤(神経障害性疼痛・線維筋疼痛症)〕25mg・4cp(1-0-1-0)
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