あなたにとって作業療法とは何ですか?・第8回
あなたにとって作業療法とは何ですか?
三瀬 和彦
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1医療法人 慈光会 甲府城南病院 作業療法科
pp.931
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200338
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共に生まれ,共に創造していくもの
これまでの経験の中で,印象強く感じているのが,「個別性」,「可能性」である.対象者ごと(個別性)の作業療法があり,同じ作業でも違ってみえる.また,共に実践することで違う何かが生まれたり,想像以上に変化を生みだしたりと,さまざまな場面で発見(気づき)がある.対象者と共にすることで生み出されるものがいろいろな「可能性」を感じさせてくれる.対象者の回復の可能性,作業がもたらす効果,作業がもつ意味・役割,セラピスト自身の成長等々,作業療法という概念はあっても形があるわけではなく,環境・ヒト・課題の中で,それぞれ柔軟に変化し,創造されるものであると感じている.
しかしながら,これらのようなかかわりを常に実践できているわけではない.むしろ独り善がりの介入になっていることのほうが多い.作業療法は対象者との間で生まれ,リアルタイムで変化する.難しい.でも可能性を感じる.自身も成長できる.対象者も.だからこそ,懸命に取り組む.いつも対象者と共に,対象者にとって大事な作業療法(活動)にしたいと思いつつ日々実践している.
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