特集 おしゃれを楽しむことを支える作業療法
コラム:なぜ,国立障害者リハビリテーションセンターがファッションショーの開催を始めたか
小野 栄一
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1国立障害者リハビリテーションセンター研究所,障害工学研究部
pp.1214-1216
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200044
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なぜ,国リハコレクションを始めたか
すべては「患者さんが衣服で困っていることがありませんか」と,ある午後の会議〔2011年(平成23年)4月26日〕後,田村玉美看護部長(当時)への著者の問いかけから始まった.その日のうちに各看護師長に伝わり,患者さんの幸せな心につながることに参加できるのはとても光栄でありがたい,協力するのでファッションショーを開催してはどうかと提案があった.
病気,事故や加齢等による体型の変化,手足や腰の動きが不自由等の理由で,以前着ていた服が着られなくなり,着たい服を手に入れることが困難になっている人たちが存在している.一方,高齢者や障害をもっている人のファッションショーは開催されることがあるが,その成果がなかなかビジネスにつながっていない.その要因として,衣料をつくる側,供給する側が課題に気がついていないか,気がついても障害についてあまり知らず,どのような対応をすべきかがわからず,どこにどの程度必要な人がいるかが不明で,ビジネスの見通しが立ちにくいことが挙げられる.一方,看護師等,当センターの職員は障害をもつ人を身近に多くみて,障害や生活上の課題を知っている.
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