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2012年(平成24年)10月13~14日の2日間にわたり,日本リハビリテーション専門学校において第17回日本作業療法教育学術集会が開催されました.この研究会は作業療法教育に関する学術集会であり,自身2回目の参加でした.テーマは『教育に,作業の視点と体感を』のもと,初日にはワークショップとして「プレイバックシアター」を体験し,2日目は「作業科学」と「COPM」の模擬授業が帝京科学大学の近藤知子先生と県立広島大学の吉川ひろみ先生から行われ活発な討議がかわされました.一般演題についても7演題が発表され,臨床実習に関する内容からカリキュラムに関する検討等,どれも興味深い発表ばかりでした.
中でも特に印象深い体験となったものが,プレイバックシアターでした.プレイバックシアターとは,1975年(昭和50年)に米国のFoxによって生み出された即興劇であり,実際の体験をストーリーに,その場で劇として再現する独創的な手法です.参加者全員でおのおの役を演じながら,実際の体験を聞き,立場やそのときの感情を理解・共感し,表現(表情やジェスチャー,自分の言葉)することを体感しました.これは作業療法実践におけるヒューマンスキルを高めることに役立つものと思われました.最近の学生は,一歩前に出ることをとても怖がり,できないことに自信を失い,失敗することを極端に嫌がります.そこに,自らの経験を学生たちに伝え,思考してもらう機会づくりの提供が必要であり,その効果的な教育手段に活用できるのではないかと考えます.参加者からも臨床実習指導者会議等に用い,指導体験や最近の学生の現状についての情報共有の一手段となるのでは等の意見も聞かれていました.
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