Japanese
English
特集 作業療法における作品づくりの意味
すずちゃんと幸せの青い鳥―重度の心身障害がある子どもとの絵画活動
Suzuna and the Blue Bird: Painting activity with a child with severe physical and intellectual disabilities
小若 尚子
1
1元 東京リハビリ訪問看護ステーション
pp.135-138
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100037
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Key Questions
Q1:子どもにとってのQOLとは?
Q2:発達障害領域における作品づくりの意味とは?
Q3:OTの役割とは?
はじめに
子どもの暮らしの中で遊びはとても大きな位置を占めており,さまざまな遊びを通して運動能力が高まり,また成功や失敗を繰り返しながら心も成長していく.その遊びの中で「作品づくり」は,自分の感じたことや考えたことを自分なりに,そして具体的に「目に見えるもの」として表現することのできる遊びである.さらに「目に見えるもの」になることで,自分以外の人に,自分の表現したものを伝えることのできる遊びでもある.
しかし,障害をもって生まれたことでその遊びが制限されてしまうことが多い.発達障害領域のOTはその制限をできるだけ少なくすることで,子どもが自発的に表現し伝えることの楽しさを経験できるようアプローチしていく必要がある.
今回は,以前担当させてもらったすずなさんとの作業療法の中で,「作品づくり」の一つである「絵を描く」という遊びが身体機能や精神機能の向上とともに自発的な遊びにつながり,さらに『作業療法ジャーナル』の表紙(第45巻第9号)に採用されるといった社会参加につながった事例を通して,「作品づくり」,特に「絵を描くこと」の意味や効果について考えていきたい.
Copyright © 2013, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.