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編集後記
白日 高歩
pp.190
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900312
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病院長に就任し3か月が過ぎようとしている.望んで就任したものでなく,多くの先生からの貴方が適任との強い薦めに従って,つい身のほどを忘れて乗り出してしまった.院長に就任してやはり頭を悩ますのが患者,あるいはその家族からのクレームであり,放置できないもの,聞くに値しないものと様々である.聞くに値しないと書いたのは決して傲慢な気持ちからではなく,患者のわがまま,あるいは余りな無知,無理解に基づくクレームであり,その意味で耳を傾けるに値しないと書いたのである.いずれにしても患者と医師間のよき信頼関係が大きく変化しはじめた辛い時代の到来を感じさせられる.外科以外の科の問題も遠慮なく寄せられるが,小児科の患者の両親は若い人が多いだけに,ときに大変非常識な母親,父親に遭遇する.そしてなかには,われわれの先祖が大切なものとして伝えてくれた礼儀作法というものをまったく身につけていない人達がいることに気づく.考えてみると,それと同じ世代の若い研修医や医師が病院内には沢山いるはずである.彼らの礼儀作法の欠如も患者からのクレームの誘因としてきわめて大きな問題となるはずである.礼儀正しい若者が大変少なくなってきた理由として,われわれ自身やそれに続く親世代がきちんとした家庭教育をして来なかったことが指摘されるであろう.
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