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編集後記
白日 高歩
pp.492
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900077
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本号の特集は「超音波凝固切開装置による内視鏡下手術の新しい展開」である.医療の面に各種の工学分野の知識が導入されるようになり,きわめて優れた手術機器が続々と登場する今日であるが,この超音波凝固切開装置も,いわば時代の申し子のような新型器具である.これを使っていると電気メス一辺倒の時代が終わりとなる予感がする.
教室においても胸・腹部各種の内視鏡下手術,乳腺・甲状腺といった表在性疾患の内視鏡下手術に日常的に多用しており,1台のハーモニック スカルペルは手術室内でひっぱりだこの状況である.私自身はどちらかというと新しいものになかなかなじめず,古い方法でやれるものならそれでよかろうというきわめて保守的思考の強い人間であるが,遅まきながらこの器具を使用するにいたって大変な有用性を認識した.新しいものばかりが良いとはいえず,管理者の立場に立つと,いわゆるコスト・パフォーマンス概念が頭をよぎること,またしばしばプロパガンダほどの内容のものでなく,使ってみて失望するという場合もあり,その点は注意してかかる必要がある.しかし,そうはいってもやはり便利なものは受け入れなければいけない.
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