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編集後記
坂井 義治
pp.518-519
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426100980
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今回は,昨年度の技術認定試験(大腸領域)結果と,最近の本誌へ投稿される症例報告論文に対する個人的感想を述べたいと思います.
図1に技術認定申請者数の推移を,図2に合格率の推移を示しました.胆囊・胆道領域の申請者数が最近はほぼ一定しているのに比し,大腸領域の申請者数の増加が著しいことが分かります.一方合格率を見ると,胆囊・胆道領域ではほぼ一定しているのに比し,大腸領域では申請者数の増加に逆比例するかのように低下しています.学会・研究会,さらにWeb上で公開されている腹腔鏡下S状結腸切除術のビデオを閲覧すると,この手術手順や手技が標準化されたと感じるのに反し,提出される多くのビデオでは,その手術手順があまりに異なることに驚きます.申請者は意図的に標準と異なる手順や手技を示したいのかと憶測してしまいます.模範的な操作手順を模倣して頂きたいと思います.
本誌へ投稿される症例報告論文の中で多いものが,術前診断が確定していないものの腹腔鏡下手術の結果,稀な病理診断結果あるいは病態が判明した症例です.本誌が内視鏡外科学会誌であることを考慮して頂き,1)その稀な病態の診断あるいは治療の過程で腹腔鏡手術を選択した理由と,その利点は何だったのか,2)独創的な手技が試みられたのか,この2点を十分検討して頂き,本誌が読者に少しでも有益な情報誌となることを期待しています.
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