特別報告
―NOTESに関する二学会合同委員会特別報告―NOTES白書:本邦におけるNOTES研究の指針 2008年3月
北野 正剛
1
,
田尻 久雄
2
,
NOTES研究会白書作成ワーキンググループ
1大分大学医学部第1外科
2東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科
pp.257-262
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426100187
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緒言
NOTES(Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery)は体表面に創を作らない夢の低侵襲手術として近年注目を集めている,まったく新しい治療概念である1,2)(図1).体表を切開し,体腔内へ到達する従来の外科手術とは異なり,軟性内視鏡を用いて口や肛門から消化管経由で,あるいは腟や膀胱などを経由し腹腔内へと到達する.腹腔内観察,肝生検などの診断的手技から虫垂切除,胆囊摘出,卵管結紮,卵巣摘出,胃小腸吻合など多様な手技への応用の可能性が報告されている.
Johns Hopkins大学のKalloo ANらが軟性内視鏡を用いて経胃的腹腔内観察のfeasibility studyを2004年に発表して以来,この分野の研究・開発は全世界規模で盛んに行われている3).Swain Pのチームは,経胃ルートによる胆囊摘出,胃小腸吻合,リンパ節切除や消化管全層切除などのfeasibility studyを報告4-6),ついでMayo ClinicのGostout Cらはsubmucosal tunneling approachという手法を壁切開に用い,経食道ルートによる縦隔鏡や経胃ルートでの胆囊摘出を報告した7,8).
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