別冊春号 2023のシェヘラザードたち
第14夜 きみも皮膚テストをやってみよう—アナフィラキシーに魅せられた麻酔科医の物語
高澤 知規
1
1群馬大学医学部附属病院 集中治療部
pp.77-82
発行日 2023年4月24日
Published Date 2023/4/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200334
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
アナフィラキシーと聞いて何を思い浮かべるだろうか。紅斑や蕁麻疹など,皮膚症状を思い浮かべる方々が多いと思う。しかし,実際には皮膚症状が出現しないアナフィラキシーも多く,また皮膚症状があっても,術中の患者は覆布に覆われているため気づかない可能性がある。このように,手術室で発生するアナフィラキシーは診断が難しく,そのうえ頻繁に発生する病態ではないので,適切に対応するには,多くの麻酔科医にとってハードルが高い。
日本麻酔科学会は2021年2月に『アナフィラキシーに対する対応プラクティカルガイド』1)を公にした。ガイドの執筆にかかわった私は,アナフィラキシーに関する麻酔科医の知識と理解が今後深まることを期待している。今夜は,私が初めてアナフィラキシーに遭遇してから10年間の歩みをお話ししよう。
Copyright © 2023, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.