特集 脳梗塞
1.脳梗塞を理解するのに役立つ血管解剖学—すぐに内科診療に活かせるものに絞って
松原 知康
1
Tomoyasu MATSUBARA
1
1広島大学大学院医系科学研究科 脳神経内科学
pp.211-224
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901016
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虚血性脳卒中診療において,内科医が血管支配を知るメリットは,
●血管支配に応じて生じ得る症候が予測でき,診察の精度を高めることができる
●MRI拡散強調画像で梗塞病変が明瞭でない場合に,その領域を支配する血管の閉塞を確認することで梗塞の診断に自信をもつことができる
●血管ごとに生じやすい病態が知られているため,脳梗塞の機序の推定のための情報を増やすことができる
などが挙げられる。
覚えるべき事項が多くて敬遠されがちな脳血管解剖学であるが,本稿では,すぐに内科診療に活かせるものに絞って概説することとし,少しでも読者の皆様に馴染みやすいものとなるように努めた。その目的のために,一部で,省略した血管や簡略化して解説した箇所があることをご海容いただきたい。
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