特集 心不全
Part 3:ICU,病棟での心不全管理
9.Heart failure with preserved EF(HFpEF)を診る—収縮能は保たれていても「拡張障害」による心不全がある
杉崎 陽一郎
1
Yoichiro SUGIZAKI
1
1神戸大学大学院医学研究科 内科学講座・循環器内科学分野
pp.911-922
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900618
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読者の皆さんは「心不全」というと,まず初めに収縮能が低下した心不全を思い浮かべるかもしれません。実はそれだけではなく,収縮能が保たれた心不全heart failure with preserved ejection fraction(HFpEF)という概念があり,このHFpEFは今や心不全患者の50%にまで上るとする報告1, 2)もあります。すなわち,心不全パンデミック時代を迎えつつある現在,総合内科医と循環器医が連携しながら心不全患者の急性期から慢性期までを加療するにあたり,HFpEFの知識は欠かせないものになっています。本稿ではこのHFpEFについて概説します。
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