特集 糖尿病
糖尿病の基礎知識
2.診断・検査:②2型糖尿病—血糖悪化の原因をいかに把握するか
中塔 辰明
1
Tatsuaki NAKATOH
1
1岡山済生会総合病院 内科 糖尿病センター
pp.303-309
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900539
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Q1 2型糖尿病の診断はどのように進めるか?
糖尿病の診断は,高血糖が慢性的に持続していることを確認することから始まる。そのためには,まず血液検査(血糖値およびHbA1c)で高血糖状態の確認を行う必要があるが,単に血糖が高いかどうかだけでなく,高血糖の原因(要因となる生活習慣がないか,高血糖をきたす他の疾患が隠れていないか)を考えながら,丁寧な問診と診察を行うことが何よりも重要である。特に,2型糖尿病かそれ以外の糖尿病かを鑑別するためには,血糖悪化の原因と思われるものが,生活習慣や生活環境のなかにあるかどうかを詳しく聴き取ることが重要である。明らかな悪化要因がないにもかかわらず,血糖の急激な悪化を認める場合には,1型糖尿病の発症や膵癌などの合併を疑って検査を進める必要がある。
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