特集 外来における予防医療
【コラム】推奨されない癌検診—USPSTFのD recommendation
瀬野尾 智哉
1
,
川口 篤也
2
Tomoya SENOO
1
,
Atsuya KAWAGUCHI
2
1勤医協余市診療所
2勤医協中央病院 総合診療センター
pp.390-393
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900253
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日本ではさまざまな癌検診が行われているが,それらの方法は市町村や保険者ごとに異なる。検診項目のなかには,USPSTFでは推奨されていない検査も含まれている。早期発見のメリットだけでなく,検診での検査による合併症や,偽陽性による追加検査に伴う患者の身体的,心理的,社会的負担など,デメリットも考慮したうえで検診をすすめるべきかを判断する必要がある。
本稿では,乳癌,子宮頸癌,肺癌,前立腺癌,大腸癌,膵臓癌,卵巣癌,精巣癌について,USPSTFで示されているD recommendation(利益がない,または不利益が利益を上回るため,その医療サービスを行わないことを推奨する)(表1)を理由とともに示す。また,腫瘍マーカーやPET検診についての現状と問題点についても述べる。
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