特集 外来における予防医療
3.予防医学のパラドックスと病院外来における「適切な」医療—Choosing Wisely on Preventive Medicine
小泉 俊三
1
Shunzo KOIZUMI
1
1東光会 七条診療所
pp.299-307
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900240
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近年,「適切な」医療とは何か,との問いが,多くの医療界のリーダーや専門職能団体,学術団体から発せられている。その問題意識に通底しているのは,「私たちが行っている医療は,実は,少し“やり過ぎ”ではなかろうか?」との率直な感覚である。昔から「過ぎたるは及ばざるが如し」と言うが,今日の医療に関して,まさにこのような述懐が各方面の識者の間から聞こえるようになってきている。
本稿では,日本の多くの病院外来で行われている予防医療の現状を,「過剰な」医療を検証するという視点から,改めて俯瞰する。特に,第1章でも取り上げられた予防医療にまつわる諸課題を,医療の「適切性」の視点,より具体的に言えば「過剰医療」を憂慮する立場から,再度,取り上げ,病院外来でホスピタリストが直面する日々のジレンマを解決する糸口を提供したい。
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