特集 ARDSの今を語り尽くす
❾ 腹臥位療法中の管理を語り尽くす—生理学的背景とエビデンス,実臨床におけるポイント
對東 俊介
1
,
志馬 伸朗
2
Shunsuke TAITO
1
,
Nobuaki SHIME
2
1広島大学病院 診療支援部 リハビリテーション部門
2広島大学大学院 医系科学研究科 救急集中治療医学
キーワード:
腹臥位療法
,
PROSEVA試験
,
APRONET試験
,
体位変換
Keyword:
腹臥位療法
,
PROSEVA試験
,
APRONET試験
,
体位変換
pp.105-112
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102201156
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
2013年に発表されたPROSEVA試験1)では,腹臥位療法は急性呼吸窮迫症候群acute respiratory distress syndrome(ARDS)患者の死亡割合を減少させることが報告された。しかし,その後の研究(APRONET試験)2)で,ARDS患者に対する腹臥位療法の実施割合が必ずしも多くないことが報告されていた。近年,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるARDS患者に対する人工呼吸器管理において,気管挿管中に加えて挿管回避のための覚醒下腹臥位療法3)が頻用されたこともあり,その生理学的背景や効果,管理方法について再度注目が集まっている。本稿では,ARDS患者に対する腹臥位療法の生理学的背景とエビデンスについて解説したうえで,実際にどのように腹臥位療法を行うのか私見を交えて解説する。
Copyright © 2024, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.