特集 生理学
Part 2.呼吸
5.人工呼吸で役立つ肺の生理学—呼吸器系メカニクスを中心に
則末 泰博
1
Yasuhiro NORISUE
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門
pp.67-81
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200710
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Q SBTでPEEPを5cmH2Oに設定するのはなぜか?
自発呼吸トライアルspontaneous breathing trial(SBT)とは,人工呼吸器管理下の患者が人工呼吸器から離脱できるかどうかを評価するための手段である。患者が抜管されたあとと同じ状態を再現するために人工呼吸器によるサポートを最小限に設定するか,または実際に気管チューブから人工呼吸回路を外した状態(Tピース)での患者の呼吸状態,バイタルサイン,表情などを観察し,通常30〜120分後に判断することが多い1)。それでは「患者が抜管されたあとの状態を再現するような最小限の人工呼吸器設定」とは,どのようなものであろうか。本稿ではガイドラインの推奨を確認したあとに,その生理学的背景に焦点を当てて考察する*1。
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