特集 ICUエコー
Part 3 超音波ガイド下手技
19.経皮的気管切開
二階 哲朗
1
Tetsuro NIKAI
1
1島根大学医学部附属病院 集中治療部
pp.207-214
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200369
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外科的気道確保は,外科的気管切開surgical tracheostomy,経皮的穿刺から気管切開口を拡張しチューブを挿入する経皮的気管切開percutaneous dilatational tracheostomy(PDT),そして緊急時に行う輪状甲状膜切開に大きく分類することができる。いずれの方法も侵襲的な気道確保法であり,適応,合併症に対する対応を考えなくてはならない(メモ)1,2)。近年,気道エコーをPoint-of-Care Ultrasonography(POCUS)として用いる有効性が示唆されている。本稿では,前半はPDTにおける,後半は輪状甲状膜切開における,気道エコーの応用について述べる。
Summary
●外科的気管切開と比較して経皮的気管切開の有用性が高まるなか,どうやって手技に伴う合併症を軽減するかが大きな課題となっている。そのなかで,気道エコーを用いた手技が確立されてきている。
●手技の前には気道エコーでプレスキャンを行い,外科的処置を行う位置の同定,血管の走行の把握を行う。手技中においては,リアルタイム穿刺により気管正中からずれることなく,血管誤穿刺を避け,気管チューブが異所性に迷入しないよう,POCUSを行いながら合併症を予防する。
●輪状甲状膜穿刺・切開の緊急時に気道エコーを用いることはできないが,施行前にあらかじめ超音波検査を行うことで,フィジカルアセスメントだけでは生じてしまう位置同定の間違いを防ぐことが可能となる。
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