特集 Severe Sepsis & Septic Shock
1.定義・診断―さよならSIRS
志馬 伸朗
1
Nobuaki SHIME
1
1国立病院機構京都医療センター 救命救急科
pp.347-350
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100665
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敗血症の定義に関して,Surviving Sepsis Campaign Guidelines(SSCG)20121)において,いくつかの変更があった。SSCG20082)では,敗血症の定義に関連した記載が極めて少ないうえ,参照すべき表が欠落しているという重大な問題点があったが,SSCG2012で改善された。
SSCG2012では,敗血症を“全身症状を伴う感染症あるいはその疑い”とし,補助診断のための指標を表に明記している(表1)。ここで注目すべき点は,全身性炎症反応症候群systemic inflammatory response syndrome(SIRS)という用語そのものが消滅していることであろう。
Summary
●SSCG2012では,敗血症を“全身症状を伴う感染症あるいはその疑い”とし,補助診断の指標を明記している。
●SSCG2012では,いくつかの変更がなされ,SIRSという用語も消滅し,感染を伴わない軽症侵襲下患者を拾い上げすぎることのないよう調整がはかられた。
●敗血症の臨床的な総合診断としては,SSCG 2012で示された補助診断の指標を参考とし,“感染に伴う何らかの生体侵襲的病態がある”ことを,大まかに,かつ迅速に評価すればよい。
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