連載
え?知らないの? ETCO2モニターの使い方
木下 亮雄
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1東京ベイ・浦安市川医療センター 臨床工学室
pp.454-456
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100546
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肺胞死腔の推測
筆者がICUにおいて,ETCO2モニターを使用する理由としては,PaCO2の推測,CO2産生量の評価,肺胞死腔量の推測ができることなどが挙げられる。PaCO2の推測に関しては,困難であるという意見もあるが,それは死腔率の違いによるものであり,死腔率で分類すればPaCO2とETCO2は相関している1)と報告されている。CO2産生量の評価に関しては,一部の人工呼吸器ではCO2産生量を自動で計算し,表示しているが,ETCO2の値がわかれば手計算することも可能である。そして,筆者が最も重宝していることは,肺胞死腔量が推測できることである。
死腔とは,ガス交換に関与しない部分である。気道でガス交換に関与しない部分を解剖学的死腔,ガスは到達するが,さまざまな理由(後述)によってガス交換に関与しない肺胞を肺胞死腔と呼ぶ(解説1)。そして肺胞死腔と解剖学的死腔を合計した死腔が生理学的死腔である。
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