特集 急性冠症候群
3.心電図でどこまでACSを読むか?
小菅 雅美
1
Masami KOSUGE
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 心臓血管センター
pp.19-31
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100495
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急性冠症候群の分類および治療方針の決定は,心電図所見に基づいて行われる。ST上昇を認める場合には虚血責任冠動脈は完全閉塞していると考えられ(ST上昇型急性冠症候群/急性心筋梗塞症),発症早期の再灌流療法が予後を改善する治療法として確立されている。一方,ST上昇を認めない場合には冠動脈は完全閉塞には至っていないことが多く(非ST上昇型急性冠症候群),薬物治療を基本とし早期に的確なリスク層別を行い,高リスク例では入院後早期に冠動脈造影検査を行い,引き続き冠血行再建を行うことを念頭に治療を進める。
いずれの病態においても,心電図は診断のみならず重症度評価,治療方針の決定に中心的役割を担い,また,予後の予測にも重要な情報を提供する1,2)。本稿では非ST上昇型急性冠症候群の心電図診断を,ST-T変化を中心に概説する。
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