連載 集中治療に役立つ内科ベッドサイド診断学
第6回:一般医・集中治療医に必要な膠原病の診断学
上地 英司
1
,
岸本 暢将
1
1聖路加国際病院 アレルギー膠原病科
pp.846-850
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100362
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我々臨床医は,診断を行っていく過程で,次のような作業を行っている。すなわち,経験と疾患それぞれのもつ疫学を踏まえ,病歴,身体診察,検査所見より,
①身体所見からの見た目
②一定の決まったルール
③診断基準
を当てはめ,鑑別診断を考え,最終診断を行っている。
知っておくべきクリニカルパールは,①の「見た目」には数多くあり,本稿でいくつか紹介する。②の「一定の決まったルール」とは,例えば「指圧で消退しなければ紫斑,消えれば紅斑」といったルールが当てはまる。③の「診断基準」では,診断に役立つ情報を効率よく引き出し,検査を選択する必要がある。
問題点として,診断基準項目の有無を1つ1つ確認するのに時間がかかりすぎることに加えて,いくつかの疾患がオーバーラップしているときには,どちらが主病態なのか判断するのに苦慮することである。実際その場合は,さらに経験が必要になってくる。このような3つの要素とともに,疾患それぞれのもつ疫学的背景も考慮して診断をつけていく。
以下,膠原病にかかわる全身の身体所見ならびに鑑別診断の手掛かりとなる所見を表にまとめる。
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