連載 集中治療に役立つ内科ベッドサイド診断学(米国内科専門医の内科診断学)
第7回:髄液検査
豊國 剛大
1
,
平岡 栄治
1
1神戸大学医学部附属病院 総合内科
pp.124-134
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100017
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集中治療室には,脳梗塞や髄膜炎により意識障害を呈し入院しているものもいるが,脳以外の疾患で入院し,入院中に意識障害をきたすものもいる。意識障害をきたした場合,中枢神経系による疾患と中枢神経系以外による疾患,感染によるものと感染以外によるものと,4つに分類すると考えやすい1)。
脳の器質的疾患が疑われた場合,その多くで頭部CT検査が行われるが,もう1つ大切な検査,髄液検査がある。特に,髄膜炎の診断に髄液検査は不可欠である。髄液検査が施行されず,髄膜炎が見落とされて後遺症が残ったり,死亡したりする症例に出会うこともあり,髄液検査の大切さを痛感する。
腰椎穿刺lumbar puncture(LP)は,診断や治療の目的で行われる重要な手技である。LPの適応,禁忌,解剖の知識,合併症を最小限にする方法の理解は,LPを安全に行ううえで重要であり,髄液検査の正しい評価は,診断を行ううえで重要である。今回,症例を提示し,腰椎穿刺の一般的な方法および髄液検査の評価について概説する。
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