特集 Infection Control
【コラム】LDS Hospitalのcomputer-based antibiotic stewardship
山下 和人
1
Kazuto YAMASHITA
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科・集中治療部
pp.87-89
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100012
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IT革命などといわれて久しいが,医療の現場で情報技術の進歩は必要な情報へのアクセスを容易にしたであろうか。
先日Salt Lake CityのLDS Hospitalにおいて,コンピューターによる抗菌薬使用補助プログラムに触れる機会があった。患者の腎機能や細菌学的検査の結果などから,お勧めの抗菌薬へ導いてくれるシステムだ(図1-A)。場合によっては,感染症専門医へのコンサルトが推奨される(図1-B)。LDS Hospitalでは,なんと10年以上前から導入されており1),臨床のなかに完全に溶け込んでいる。
例えば,こんな具合だ。「48歳の男性,現在のクレアチニンクリアランスは57で,24時間の最高体温は38.3℃,白血球数は14000/mm3。培養の結果,Enterobacter aerogenesが○月○日に尿中から検出されており,抗菌薬投与を行う場合は,ST合剤・経口・12時間ごとに○mgの投与をお勧めします」。抗菌薬の使用歴,外来・入院あるいは病棟ごとのアンチバイオグラムにも,実に容易にアクセスできる。
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