徹底分析シリーズ —なるほどナットク!—ICUにおける人工呼吸—後編
特殊な人工呼吸モード—PAV/NAVAの理論と実際
木庭 茂
1
,
則末 泰博
2
Shigeru KOBA
1
,
Yasuhiro NORISUE
2
1練馬光が丘病院 総合救急診療科 集中治療部門
2東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科
pp.274-280
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202861
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釈迦に説法であるが,全身麻酔の3要素とは鎮痛・鎮静・筋弛緩である。すなわち手術室で行われる呼吸管理は,基本的に筋弛緩下で行われており,“自発呼吸”を意識することは少ない。しかし,ICUで行われる人工呼吸管理において,筋弛緩薬を投与する状況は非常に限定的である。すなわち,ICUでの人工呼吸管理では,自発呼吸を意識することが求められる。
本稿では,特殊な人工呼吸モードとしてproportional assist ventilation(PAV)と神経調節補助換気neurally adjusted ventilatory assist(NAVA)を解説する。
なお,PAVモードは,1992年に発表されたもので,現在はPuritan BennettTM 840/980(コヴィディエン社)に搭載されている“Proportional Assist Ventilation PlusTM(PAV+)”モードと,Evita®シリーズ(Dräger社)に搭載されている“proportional pressure support(PPS)”モードがある。本稿では,この両者を含めて「PAV」とする。
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