症例カンファレンス
歯性感染症に伴う開口障害を有する妊婦
八幡 俊介
1
,
豊田 浩作
1
,
奥井 達雄
2
,
室内 健志
3
,
橋口 浩平
4
,
五代 幸平
5
,
太崎 友紀子
6
,
小嶋 宏幸
7
,
松田 祐典
7
Tatsuo OKUI
2
,
Takeshi MUROUCHI
3
,
Kohei HASHIGUCHI
4
,
Kohei GODAI
5
,
Yukiko TAZAKI
6
,
Hiroyuki KOJIMA
7
,
Yusuke MAZDA
7
1島根大学医学部 麻酔科学教室
2島根大学医学部 歯科口腔外科学講座
3国保旭中央病院 麻酔科
4鹿児島大学病院 歯科麻酔全身管理学分野
5鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 侵襲制御学
6鹿児島大学病院 産科婦人科
7埼玉医科大学総合医療センター 産科麻酔科
pp.221-237
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202462
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合併症を有する妊婦は,本症例カンファレンスで度々取り上げられてきた。今回は正産期間近で歯性感染症に伴う開口障害が起きてしまった。妊婦の周術期管理は生理学的変化と胎児への影響を考慮する必要があり,一方で歯科口腔外科/頭頸部外科疾患は気道管理に影響する。特に妊婦は免疫力が低下するため,非妊娠時よりも歯性感染症を起こしやすい。つまり,それぞれ単独でも注意を要する二つの病態は十分同時に起こり得るのだ。
さらに本症例は,一度申し込まれた歯性感染症に対する緊急ドレナージ術がキャンセルされた。どうして? それがベストの選択だろうか? もう夕方だ。このままで一晩何事もなくすごせるだろうか?
本症例を安全な分娩につなげるにはどうしたらよいか,各施設から貴重な意見をいただいた。自施設で分娩計画を立てる際の参考にしてほしい。
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