症例カンファレンス
不安要素多数の帝王切開
小西 康貴
1
,
野口 翔平
2
,
細川 幸希
3
,
大西 佳彦
4
Shohei NOGUCHI
2
,
Kouki HOSOKAWA
3
,
Yoshihiko OHNISHI
4
1帝京大学医学部 麻酔科学講座
2埼玉医科大学総合医療センター 産科麻酔科
3昭和大学病院 麻酔科
4国立循環器病研究センター病院 麻酔科
pp.997-1015
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201786
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今回は,拡張型心筋症を合併した肥満妊婦の麻酔について検討する。拡張型心筋症は,左室内腔の拡大と左室駆出率の低下を伴う心筋症であり,心不全や不整脈を合併しやすい。一方,妊娠の生理的な変化は循環血液量や心拍出量の増加を中心に多岐にわたり,心臓にとって妊娠自体がストレスとなる。そのため,拡張型心筋症患者が妊娠した場合,妊娠の各ステージにおける適切な治療が求められる。
妊婦にとって分娩は,身体的にも精神的にも最もストレスがかかるステージである。分娩をどのタイミングで行うのか,経腟であれば無痛分娩を行うのか,帝王切開であれば区域麻酔単独で行うのか全身麻酔で行うのか,循環動態の破綻を考慮する場合,術前からどのような準備をしておくのか,多職種カンファレンスで事前に検討すべきである。今回は,産科麻酔のチームを有する施設,重症心疾患を扱う施設にPLANを立てていただいた。自施設の状況を鑑みながら,カンファレンスにご参加いただきたい。
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