徹底分析シリーズ 麻酔科医を取り巻く医療機器・器具—手術室のことをもっと知りたい あなたへ
違いのわかる麻酔科医になろう—縫合糸・針編
松山 周平
1
,
上村 友二
1
,
祖父江 和哉
1
Shuhei MATSUYAMA
1
,
Yuji KAMIMURA
1
,
Kazuya SOBUE
1
1名古屋市立大学病院 麻酔科/集中治療部
pp.636-640
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201698
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違いのわかる麻酔科医とは
手術中,侵襲に応じて麻酔深度を調整したり,起こり得る生体反応をコントロールする全身管理は,麻酔科医にとって基本的かつ重要な務めである。そのためには,手術の進行具合や,その所要時間など,術野を直接覗き込んで見る目が必要となる。近年は,術野をディスプレイで見ることができる手術が増え,直接術野を覗き込む必要性がなくなり,麻酔科医にとっても手術状況をとらえやすい時代になってきた。しかし実際の術野には,鉗子,ガーゼ,交錯する執刀医の指々,各種医療器具が多くあり,現実はそう容易ではない。そして,術野の状況を知り得るために,手術器具やデバイスの知識が有用と感じることも多い。
例えば,脳神経外科における血管吻合術を例にとってみよう。
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