快人快説
マラソンの医学:なぜ人は走るのか?—歴史的・文学的・生物学的な考察から,長距離ランニングが人体に及ぼす影響やマラソンが速くなる薬まで
市瀬 史
1
Fumito ICHINOSE
1
1Massachusetts General Hospital, Harvard Medical School麻酔科
pp.91-97
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201569
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
マラソンブームである。日本全国のマラソン大会の数は小規模のものも入れると1年間に2000〜3000回あるといわれている。週1回ジョギングする日本国民の数は500万人を上回る。マラソンはもはや日本の国技といっても過言ではないだろう。しかし,走った人にはわかるが,フルマラソンは本当にきつい。有酸素運動は健康に良いという情報がある反面,マラソンレース中に心肺停止になる中高齢者のニュースも耳に入ってくる。それでもマラソン人気は静まる気配がない。ヒトはなぜそこまで走るのが好きなのか?麻酔科医・研究者・ランナーである筆者がその謎に迫る。
Copyright © 2020, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.