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The New England Journal of Medicne
Editorial:
Cooper DS, Pearce EN. Subclinical hypothyroidism and hypothyroxinemia in pregnancy — still no answers. N Engl J Med 2017;376:876-7.
Article:
Casey BM, Thom EA, Peaceman AM, et al. Treatment of subclinical hypothyroidism or hypothyroxinemia in pregnancy. N Engl J Med 2017;376:815-25.
■潜在性甲状腺機能低下症合併妊娠の悪影響
妊娠初期には母体からのサイロキシン(T4)の胎児への移行は,妊娠の維持と,胎児の成長発達にとって必須である。妊娠中の軽度の甲状腺機能低下症や,潜在性甲状腺機能低下症(遊離T4濃度は正常,サイロトロピン濃度は低下)は,流産,早産,出生時低体重,児のIQ低下などに関係すると報告されているが,異論もある。これまでに潜在性甲状腺機能低下症妊娠に関して三つの無作為化比較研究が行われてきた。うち二つはレボチロキシン投与により早産の減少など妊娠経過が改善したことを報告している。Controlled Antenatal Thyroid Screening(CATS)trialでは,妊娠経過の改善や,3.5歳児の認知機能の改善は示されなかった。American College of Obstetrics and Gynecologyのガイドラインでは,レボチロキシン投与について反対している一方,American Thyroid Associationは,抗thyroperoxidase antibody(anti-TPO)陽性およびサイロトロピン濃度をモニタリングしながらの治療を推奨している。
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