症例検討 まれだが怖い 手術・麻酔合併症
麻酔中にPETCO2が上昇し続けた—先入観にとらわれず鑑別診断を行えるか?
原 芳樹
1
Yoshiki HARA
1
1帝京大学医学部 麻酔科学講座
pp.704-707
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200627
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症例
21歳の男性。身長170cm,体重75kg。交通事故による骨盤骨折で入院し,緊急手術として創外固定術を行った。うつ病を合併しており,抗うつ薬を内服中との情報が得られていた。プロポフォールとフェンタニルで麻酔導入,ロクロニウムを用いて気管挿管を行った。麻酔維持はデスフルラン-空気-酸素で行い,鎮痛にはレミフェンタニルを用いた。導入から2時間が経過したところでPETCO2が上昇し始め,適正値に維持するために分時換気量を増加していった。対応1時間で分時換気量設定は10L/minに達し,同時期に頻脈,血圧上昇が顕著となり体温が38℃を超えた。
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