徹底分析シリーズ 成人先天性心疾患
非心臓手術の周術期管理—単心室循環を中心に
戸田 雄一郎
1
Yuichiro TODA
1
1川崎医科大学 麻酔・集中治療医学
pp.438-442
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200564
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成人先天性心疾患患者を取り扱う場合,患者の心臓の状態が今,どのような循環にあるのかを正確に把握することが周術期管理の第一歩となる。筆者ら1)は,大きく三つに分けて考えてきた(表1)。cured(低リスク)は,左右両心室があり正常な循環となっている術後の状態で,残存病変はあってもごく軽度の疾患群である。代表的な疾患に心房中隔欠損症atrial septal defect(ASD),心室中隔欠損症ventricular septal defect(VSD),Fallot四徴症tetralogy of Fallot(TOF)などの術後患者が挙げられる。
本稿で扱う単心室循環とは,残り二つに分類されるcorrected(中リスク),もしくはpalliative(高リスク)に相当する疾患群(患者群)である。
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