カラーグラフ
単心室症の根治手術(Ⅱ)
新井 達太
1
1東京慈恵会医科大学心臓外科
pp.436-441
発行日 1974年4月20日
Published Date 1974/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206005
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
想像線が平行な場合は,前回の「単心室症の根治手術(Ⅰ)」で述べた如く,人工心室中隔の形成は比較的容易である.しかし,想像線が接触あるいは交叉する場合の手術はかなり難かしくなる.
想像線が接触する(想像線を延長すると,心臓外で延長線が交る)場合は,両大血管への流出路を形成するconus septumと,両房室弁から心尖部にかけて形成されるsinus septumとの間に,ある角度ができる.この角度が90°以内であれば1枚のパッチで心室中隔の作製が可能であるが,その角度が90°に近いほど手術は難かしくなる.これは,この角度が大きくなる程,心室流出路の障害をきたし易く,また,1つの心腔を左・右心室に等分するのが難かしくなる.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.