徹底分析シリーズ 成人先天性心疾患
遠隔期合併症の外科的治療戦略—特にfailed Fontanについて
小谷 恭弘
1
Yasuhiro KOTANI
1
1岡山大学病院 心臓血管外科
pp.428-431
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200562
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先天性心疾患に対する外科治療は近年,目覚ましい成績向上がみられる一方,そうした患者が成人期を迎え,さまざまな問題を抱えるケースが増加している。特に単心室症に対するFontan手術は,従来“根治術”とされてきたが,この手術が始まってから30年が経過し,さまざまな遠隔期の合併症が顕在化するにつれ, “Fontan palliation”であることが明白になってきた。心機能低下,房室弁逆流,不整脈,蛋白漏出性胃腸症など,Fontan手術後に特有の合併症に加え,長期のFontan循環による多臓器不全も治療を進めていくうえで問題となる。
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