- 販売していません
- 文献概要
◆全国各地で選挙が行われています。私の住むS区では,区議会議員選挙が告示されました。そして,私が通勤に利用している駅にも毎朝,入れ替わり立ち替わり,立候補者がやってきます。駅前広場の駅入口付近を陣取り,幟を立てて名前を連呼しています。
昨今の投票率は,現在の政治代行者選出方法の限界を意味すると考えるので虚しさはありますが,とりあえず投票はします。なので,何かしらの理由を探して,数十人の候補者の中から,一人を選択しなければいけません。ただ,“○○をやります!”“□□な社会に!”といった言葉に期待するほど,おめでたくもなれません。積極的な選択基準が見いだせないので,まずは除外基準を決めて選択肢を絞り込むことに。
◆その第一の基準は「年齢」です。偏見ですが,高齢の候補者が,「未来」「将来」と言っていても,その想定する期間はこちらが期待するよりずっと短いだろうと思っているからです。で,何歳以上を除外するか…,そんなことを考えていたら,ある日,街頭を回っている選挙カーのスピーカーから,「○×(←候補者名),46歳,若さと実行力で…」という声が聞こえました。会社など一般社会で46歳といったら,中堅からベテランに達していることが期待される年齢ですから,“若さアピール”にちょっと違和感。
ただ,「若い」とは,相対的な評価でもあります。定年退職後,充実した第二の人生のためにと地域のコミュニティに参加したら,「お若いの」と呼ばれてしまった,なんてエピソードもありましたし。そこで,S区の立候補者70名の平均年齢を計算してみたところ,50.8歳。確かに40代は,政治の世界では若造なのですね。
◆気持ちが若い,体力年齢が若い,年齢より若く見える…などなど,いろいろな“若さ”がありますので,年齢だけでその人の若さを評価するのは無理なのでしょう。けれど,年齢を重ねれば確実に“余命”は減ります。そんな当たり前のことを,今月号の編集作業で厚生労働省が発表している「平均余命」データを参照し,実感してしまいました。
原稿では,80歳と90歳の余命に言及していましたが,ついでに自分の年齢近傍にも目が行くのが人情。そして,“あなたは人生の折り返し地点にいますよ”と,薄々感じていたことを数値で示されると実感が押し寄せます。そして親の余命を知り,焦燥感にかられたりもします。
ただ,残りを知ることは悪いことではありません。先が見えると自分のできる範囲がイメージできますし,直近の苦労も,終わりがあると思えばこそ耐えられものです。そして,自分の手に負えそうにない壮大な夢や希望は,余命が長い人に託そうと割り切れます。なので,投票するのは私より若い人に決まりです。
◆最近,LiSA編集会議の参加者に若い方が増えています。この流れを確実にできたら,LiSAの余命は私のそれよりもはるかに長くなるはず。編集会議には誰でも参加できます。さまざまな“若さ”をお持ちの方,お待ちしております。
Copyright © 2015, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.