症例検討 困難な呼吸器手術を克服しよう
肺切除後の肺切除:選択的右上葉ブロック派―初心者には勧められないが,うまく管理できればベスト!
萩平 哲
1
HAGIHIRA,Satoshi
1
1大阪大学大学院医学系研究科 麻酔・集中治療医学教室
pp.706-710
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102177
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症例 54歳の男性。身長155cm,体重55kg。右肺上葉の腫瘍病変に対して生検を行い,悪性の場合は上葉切除が行われることになった。7年前に左肺癌の既往があり,左上葉切除術が行われている。最近2週間は禁煙しているものの,前回の手術後も1日30本の喫煙を続けており,会話の間も痰がらみの咳が認められる。スパイロメトリー上,1秒率は70%と正常下限であり,%肺活量(%VC)は66%と低値を示した。動脈血液ガス分析では,動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)39mmHg,動脈血酸素分圧(PaO2)75mmHg,pH 7.41であった。胸部X線写真上,左肺門部が頭方へ偏位し,気管と左主気管支の角度が開大している。
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