徹底分析シリーズ デクスメデトミジンと鎮静
集中治療における鎮静法―ただ「眠らせる」は大間違い薬物と評価ツールを使いこなして鎮静のプロになろう
成澤 あゆ香
1
,
中根 正樹
2
Ayuka NARISAWA
1
,
Masaki NAKANE
2
1日本海総合病院 麻酔科
2山形大学医学部附属病院 集中治療部
pp.210-216
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102063
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
2013年に,米国集中治療医学会Society of Critical Care Medicine(SCCM)が作成する集中治療室(ICU)における成人患者の鎮静管理のためのガイドライン1)が約10年ぶりに改訂された。鎮静に加えて,疼痛やせん妄の管理についても具体的に述べられており,pain(痛み),agitation(不穏・興奮),delirium(せん妄)の頭文字をとって「PADガイドライン」とも呼ばれ,注目されている。日本国内では,2007年に日本呼吸療法医学会が『人工呼吸中の鎮静のためのガイドライン』2)を発表している。しかし,実際の臨床現場では,薬物の選択や投与計画などを標準化することは難しく,ガイドラインがあっても施設ごとに実践方法は異なるだろう。また,2010年にデクスメデトミジン(DEX)の24時間という投与制限がなくなって以降,鎮静戦略のバリエーションはさらに広がりをみせている。
本稿では,これらのガイドラインにも触れつつ,鎮静の基本や山形大学医学部附属病院での実際の鎮静プロトコールについて述べる。
Copyright © 2014, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.