連載 ヒューストン留学記(その後)
パーティーが終わって…
石黒 達昌
pp.1251
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102010
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読書の秋,というわけでもないのですが,この時期になると各出版社が次々と新人賞を発表します。書店の文芸コーナーに並んでいる雑誌がそれぞれ独自に新人賞を募集していて,見事当選すると,しばらくの間はその出版社を中心に仕事をすることになります。もっとも,年間,数十人単位で誕生する新人賞作家のうち,ちゃんと作家としてやっていけるのはごくわずかな人だけです。結局その一作でおしまいなんてことも決して珍しくありません。
ともあれ,多くの応募作の中から選ばれたご褒美に,受賞記念のパーティーが催されます。でもその場所や規模は新人賞によってさまざまです。最も権威のある(?)文學界新人賞(文藝春秋)の場合は,編集部の中だそうで,賞状を手渡し,編集部員が買ってきたビールにピーナッツでお祝いするのだとか。集英社のすばる文学新人賞は,同社主催の他の2賞とともに,帝国ホテルの大広間でのお披露目で,アメリカに渡るまでは毎年,私も出かけていました。私自身(海燕文学新人賞)もニューオータニの金屏風つきひな壇の上でした。ちなみに,『らせん』の鈴木光司さんはエンターテインメント系の新人賞で,バブル最盛期の当時,不動産会社がスポンサードしてスモークにゴンドラの結婚式風ド派手な演出だったのだとか。
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