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親愛なる読者の皆様,権威と格式あるLiSAの編集長,通称E嬢でございます。昨年の9月号から始まりました「は へ ほのはなし」,2回も続けばいいほうだろうという私の読みが不覚にも大外れとなりまして,1年間以上も連載されてしまい,日本全国のLiSA読者の皆様方には大変なご迷惑をおかけしていることを非常識な筆者になりかわりましてお詫びする次第でございます。
いつもならつまらない「前口上」で始まるところ,今回は一体どうした風の吹き回し? と訝るのもごもっともです。「はへほ」の筆者は,脳味噌の螺子が緩んでいる者と前々から思っておりましたが(実はこれまでも先方が一方的に妙な文章のファイルを送りつけてくるばかりで,元来が深窓の令嬢である私とは住む世界が180度どころか360度違いますので,幸いなことに直接目通りを許したことはございません),体調を壊したため今回14話の締切には到底間に合いそうもないと,甚だ身勝手なメールで泣きついてきました。どうせ猛暑(1年365日,全館冷暖房完備の豪邸暮らしの私には外気温が41℃を超えようが-41℃まで下がろうが全くあずかり知らぬことでございます)にかこつけて,一回分の仕事をさぼろうという魂胆でしょう。本当は通勤電車(蝶よ花よと育てられ,乳母日傘で通学し,そして本当は働く必要も無いのですが,どうしてもという三顧の礼に応えてほんの暇潰しのために勤めているM社にも,運転手付き高級車で通う私は,テレビのニュース映像でしか見たことはありません)の耳をつんざくような轟音響くガード下,瓶ビールケースをひっくり返して椅子とする場末の安酒場で(成人した後も夜の門限は午後7時,目を背けたくなるような男女の破廉恥なドラマが始まる午後8時には南仏のシャトーから直接取り寄せた天蓋付きベッドに潜り込み,隣室から漏れるテレビの音に耳をそば立てる私には,見たことも聞いたこともない,もちろん想像すらし得ない世界です),隣の客が地面に落とした焼鳥の串を意地汚く拾って食べたか何かしたに決まっていますね。
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