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◆出典の記憶が曖昧なので,どんな集団においてかは不明ですが「スマートフォンの所有率が50%を上回った」そうです。
これはこれでニュースなのかもしれませんが,医師のスマートフォンやタブレット端末などの所有率は,50%以上でしょう。そのせいもあってか,最近は何かと電子書籍が話題になります。「自炊」の成果を見せていただいたりすると,「すごいですね。でも,スキャン作業を外部業者に委託すると違法ですからご注意ください」と,余計な一言を加えてしまったりして。
◆『我らに麻酔の祝福あれ』(MEDSi刊)で次のようなフレーズに出会いました。
「私は,火打ち石を使っていた人々がマッチを使うようになったのと同じ理由から,エーテルの代わりにクロロホルムを使うようになった。それは非常に使いやすいので,ときどき危険な事故が起こるとわかっていても,使うのをやめようとは思わないのだ」
人は便利さに抗うことはできない,というのは今も昔も同じ。でも,ここのクロロホルムが「原発」だったら,ちょっと不便でも私は安心感を選びます。ときどき起こる危険な事故の大きさを見きわめ,目先の便利に惑わされない賢さももちたいと思います。
◆書籍の電子化で,重い本を何冊も持ち歩かなくて済む,用語検索ができて知りたいことにすぐたどり着ける,そもそも省スペース,というメリットは十分に理解できます。一編集者として,電子書籍を食わず嫌いのままというのは格好が付かないとも思うのです。
でも,その便利さが,バッテリー切れとか,端末が壊れてしまうといった“ときどき起こる危険な事故”と引き換えなのだとしたら,バックアップの紙の書籍は手放せません。だったら,最初から紙を読めばいいか,と私の書棚の電子化は先延ばしになるのでした。
◆ところで,あまり知られていませんが,電子化LiSAは,法人サービス「Medical Finder」でご利用いただけます。ただ,個人向けサービスも真剣に考えるべき時期なのかもしれません。
◆◆おしらせ◆◆
LiSA 4月号の333ページに「酸素解離曲線」とタイトルをつけた図3を掲載いたしました。ここでは,本文の議論に沿わせるために,動脈血中の酸素分圧,動脈血中の酸素飽和度を想定して,縦軸はSaO2(動脈血酸素飽和度),横軸はPaO2(動脈血酸素分圧)と記しています。しかしながら生理学的な酸素解離曲線とは,動脈血,混合静脈血の区別なくPO2,SO2とします。動脈血,静脈血にかかわらず,血液中の酸素分圧の変化で赤血球中の酸素ヘモグロビンの酸素飽和度を測定されたものだからです。よって,酸素解離曲線を語る場合には,a(動脈),v(静脈)などの区別をしない書き方が正しいので,aを取り除いてご理解ください。
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