徹底分析シリーズ ニューロモデュレーションと鎮痛
―迷走神経刺激療法の麻酔管理―長期にわたるてんかん治療を受けていることに留意
平松 謙二
1
,
中尾 慎一
1
Kenji HIRAMATSU
1
,
Shinichi NAKAO
1
1近畿大学医学部 麻酔科学教室
pp.608-611
発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101553
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迷走神経刺激vagus nerve stimulation(VNS)療法とは,てんかん患者に対して頸部の迷走神経に電気刺激を与え,痙攣発作を減少させる治療法である1)。日本では2010年7月に保険適応となった比較的新しい手術であり,原疾患のてんかんに対する注意だけでなく,迷走神経刺激という特殊な状態も加わり,麻酔法の選択は難しい。また,VNSは刺激の継続期間を長くすることで痙攣発作が徐々に抑制されるため,薬物抵抗性の発作に対しては,早期からの治療開始が有効で,小児期に手術が行われることも少なくない。
VNSの麻酔管理は,薬物抵抗性てんかん,迷走神経興奮状態,患者が小児,脳外科手術など種々の要因があり,細心の注意が必要とされる。本稿では,当院で行われたVNSの麻酔症例を紹介し,最適の全身管理について考察する。
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