徹底分析シリーズ 3.11から学ぶ
仙台市における被災体験―非常時,自分の身も守るためには麻酔器のキャスターは固定すべきだった
海法 悠
1
KAIHO, Yu
1
1石巻赤十字病院 麻酔科(前 東北厚生年金病院 麻酔科)
pp.228-233
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101470
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今回の地震が,近年観測された大地震のなかでも特異な性質を示した一つの要因として,地震の規模や津波被害に加えて,発災時刻が平日の日中であったということが挙げられる。病院ではあらゆる精密医療機器が稼働している真っ只中であった。手術室でもいつものように手術が行われており,筆者も全身麻酔をしていた。筆者が勤務していた東北厚生年金病院は,病院機能の停止という判断を余儀なくされるほどの甚大な被害を受けた1)。
本稿では,新米麻酔科医の視点で全身麻酔中の被災体験を紹介するとともに,仙台市での被災生活にも新米パパの視点から触れる。
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