日本列島
野良猫と放火—仙台市
土屋 眞
1
1仙台市衛生局
pp.339
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207937
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さる昭和63年10月,野良猫に関係した放火があり,1ヵ月後には保健所に脅迫状が届く事件が発生した.警察が犯人を追っているが12月末現在,まだ解決をみていない.この仙台市北部団地の一つK地区も野良猫の増加に悩まされ,脱糞・天井への住み込み・鯉が取られる・夜中にトタン屋根を歩く・物置等で子を生む・啼き声等の被害がある.しかし苦情は意外に少なく,人間と猫の共存が我慢の限界で続いている.
これには,子猫の可愛いさ・愛猫家が多い・知人で言えない・たたりへの恐れ・法律の弱さ・行政も手をうちにくい・捕獲等への愛護団体の抗議などが関係深い.長崎市は行政が正面から取り組まれておられるが,当市も法に基づいて何らかの指導や対策を考えるべき時がきたといわれている.ちなみに「動物の保護及び管理に関する法律」では,動物の虐待防止,動物の適正な取扱いとともに,人命・身体及び財産に対する侵害防止をうたい,避妊手術等による犬猫の繁殖制限や処分の方法を明記している.
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