徹底分析シリーズ 素朴な疑問―これにて26件落着!
18件目―頭蓋内圧亢進患者において動脈血二酸化炭素分圧はどの程度に保つべきか
松本 美志也
1
MATSUMOTO, Mishiya
1
1山口大学大学院医学系研究科 麻酔・蘇生・疼痛管理学分野
pp.344-345
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101193
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●PaCO2と脳血流量と脳血液量
動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の変化により,脳血流量(CBF)と脳血液量(CBV)が変化するが,頭蓋内圧(ICP)に影響するのはCBVである。
PaCO2の変化に伴うCBFの変化は,主として脳動脈の収縮により起こり,毛細血管や静脈の収縮はほとんど起こらない1)。脳の血液はその約30%が動脈に存在する。それ故,PaCO2の変化に伴うCBVの変化は,CBFの変化の30~40%である。PaCO2が20~80mmHgの間は,PaCO2とCBFの変化はほぼ直線関係にあり,PaCO2の1mmHgの増減に対し,CBFは1~2mL/100g/min(2~4%)増減する(図1)。
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