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pp.530-531
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100136
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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Orser BA. Depth-of-anesthesia monitor and the frequency of intraoperative awareness. N Engl J Med 2008 ; 358 : 1189-91.
Article:
Avidan MS, Zhang L, Burnside BA, et al. Anesthesia awareness and the bispectral index. N Engl J Med 2008 ; 358 : 1097-108.
術中覚醒は重大な麻酔合併症である。その発生頻度は0.1~0.2%程度であり,米国では2~4万症例で術中覚醒が起きていると推定されている。ほとんどの場合,患者は術中記憶はあるが,痛みは感じない。中には強い痛みを感じた患者もおり,そのような場合には術後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を起こす場合もある。術中覚醒を防ぐために,十分な静脈麻酔薬や吸入麻酔薬の使用,BISモニターの使用などが推奨されている。米国では手術室の60%にBISモニターがあり,全身麻酔を受ける患者の17%でBISモニターが使用されていると推定されている。しかし,BISモニターを使用することの有用性を証明した無作為対照研究は二つしかなく,一つは高リスク患者で有用であること,もう一つは検出力が不足している。
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