症例検討 モニタリングをめぐるトラブルとその対処法2
BISモニター:術中,プロポフォールで十分に麻酔されていると思われるのに,BIS値が80くらいある。
麻酔深度は,麻酔の流れや各種パラメータから総合的に判断/脳波から鎮静度を判断。麻酔レベルが良好なら,そのまま経過観察
武田 吉正
1
,
萩平 哲
2
Yoshimasa TAKEDA
1
,
Satoshi HAGIHIRA
2
1岡山大学医学部歯学部附属病院 麻酔科蘇生科
2大阪大学大学院医学系研究科 麻酔集中治療医学講座
pp.362-367
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100076
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まず,麻酔深度の評価を行う
これがBIS値でなく動脈圧低下だったらどうだろう。誰でも以下の二つのことを考える。
1.血圧の評価(アーチファクトかも?)
2.なぜ,血圧が下がったのか?
BIS値でも同じである。まず,麻酔深度の評価を行う。BISは,脳波解析を行う前に筋電図や電気メスによるアーチファクトの検出・除去を行い,その結果をSQI,EMGとして表示している(図1)。
①SQI(signal quality index)が十分に高いか。
②EMG(electromyogram)の混入がないか。
③実際の脳波にも明らかなアーチファクトがないか。
以上の3点を確認し,問題がなかった場合,とりあえずは信頼性のあるBIS値であると考えられる。
余裕があれば脳波の波形を確認する。一般に,麻酔深度が深くなると,脳波は高振幅徐波となり速波成分が減少する。メニューボタンを押して脳波を大きく表示させたり,周波数分析を表示させたりするのも一法である。
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