印象記
第22回国際生理科学連合会(ライデン)印象記
内薗 耕二
1
Koji Uchizono
1
1東京大学医学部生理学教室
1Derartment of physiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.50-54
発行日 1963年2月15日
Published Date 1963/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906267
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ベルギー第20回,アルゼンチン第21回の国際学会に引きつづき,今回再びヨーロッパで3年目毎の第22回学会が開かれたわけである。今回は次回の日本での開催が殆んど確定的といわれていたせいもあつて,日本からの参加者も特に多かつたようである。閃聞する所によると国内からの参加者が約30名,その他がこれと略同数で,日本からの全参加者数は未曽有の多数であつたらしい。ここでいうその他の中には米国,ヨーロッパ各地及びその他の土地にいる留学生も多数ふくまれている。学会開催中,毎日発行されていた新聞の報道によると,今回の学会への参加者総数は4000名に達したといわれる。この中には家族会員や賛助会員もふくまれているので,実質的な参加者は3000名内外とみてよいであろう。会場が歴史的には有名でも,都市としては小都市に属するLeiden市のライデン大学医学部の建物とその施設だけをつかつて行われた為に,学会全体の運営にはかなりの難点がでて来たようであつた。日本の代表として参加され,各種の重要な事務的行事に参画された加藤博士の言によると,今回の会長をつとめたライデン大学医学部生理学教授のDr.J.W.Duyffは今度の国際学会には種々不手際があつて,学会運営としては最も悪い学会の一つとなつてしまつたことは,まことに申訳ない。次回の東京ではこのような失態のないよう,今回の悪かつた点を充分に研究し,参考に供されたい,という意味の発言をしたそうである。
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